2026年3月– date –
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極限パニック
ポセイドン2006考察。興収14億円の真実とVFX史を変えた波のシミュレーション
2006年版ポセイドンは、製作費1億6000万ドルという巨額の予算を投じ、当時のCG技術では不可能と言われた水の物理シミュレーションを実用レベルにまで引き上げた野心作です。公開当時は映像はすごいが脚本が弱いという評価に終始しましたが、その本質は9.11以降の切迫した空気を反映した体感型パニックへの特化にあります。日本国内で14億円という大ヒットを記録した背景には、旧作ファンだけではない、新しい映画体験を求める観客の熱狂がありました。 日本で興収14億を記録したヒットの背景 本作を語る上で、まず... -
極限パニック
ポセイドン・アドベンチャー1972考察。CGを超える500万ドルの圧倒的執念
今の映画はあまりに綺麗すぎて、どこか嘘っぽく見えてしまうことがあります。ボタン一つで何でも表現できる2026年のデジタル全盛期だからこそ、1972年に公開されたポセイドン・アドベンチャーを観直すと、あの巨大な鉄の塊が軋む鈍い音や、喉の奥が痛くなるような浸水の冷たさに本能が揺さぶられます。 これは単なる昔のパニック映画ではありません。ベトナム戦争の泥沼化やウォーターゲート事件で国家への信頼が完全に失墜していた当時のアメリカが、スクリーンに叩き出した悲鳴のような作品です。社運を賭けた予... -
狂気・殺人鬼
テキサスチェーンソー ビギニング考察。救いゼロのトラウマ前日譚をレビュー
あの時の胃がひっくり返るような感覚は今でも忘れられない。テキサスチェーンソー ビギニングを初めて観た時のことだ。当ホラー映画特化サイトを運営するくらいには数え切れないほどのホラー作品を浴びるように観てきたが、ここまで救いがなく、観終わった後に強烈な疲労感で立ち上がれなくなった映画はそう多くない。 2003年に公開されたリメイク版のヒットを受けて作られた前日譚、なんていう生易しい言葉で片付けてはいけない。この映画は、人間の奥底にあるサディスティックな欲望と、絶対に逃れられない理不...
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