ポルターガイスト2は怖いのか 前作との違いと評価を映画評論家の視点で解説

ポルターガイスト2の怖さを表現したアイキャッチ画像。夜の郊外住宅を背景に、窓から不気味なテレビの光が漏れ、家の前には黒い人影が立っている。上階の窓には子どもの影が浮かび、前作との違いや評価を解説するホラー映画記事の雰囲気を伝えている。

ポルターガイスト2は、前作ほど完成度の高いホラーではありません。
ただし、見る価値がない続編でもありません。

本作の魅力は、ケイン牧師の異様な怖さ、ジェリー・ゴールドスミスの音楽、1980年代らしい手作り感のある視覚効果にあります。
前作の家が怖い映画から、2作目では家族を狙う邪悪な存在の正体へ近づく映画に変わりました。

だからポルターガイスト2は、前作と同じ怖さを求めると少し物足りない気もします。
けれど、1980年代ホラーの空気や、続編ならではの広がりを楽しみたい人には、今見ても引っかかる一本です。

目次

ポルターガイスト2とはどんな映画か 1986年公開のホラー続編を基本情報から解説

ポルターガイスト2は、1986年に公開されたアメリカのホラー映画です。
正式な原題は『Poltergeist II: The Other Side』。

1982年の名作ホラーポルターガイストの続編で、シリーズでは第2作にあたります。

前作で恐ろしい体験をしたフリーリング一家が、再び見えない邪悪な力に狙われる物語です。
ただし、2作目は単にまた家で怪奇現象が起きる映画ではありません。

前作では、郊外の新興住宅地に潜む不気味さが中心でした。
2作目では、地下に眠る過去、宗教的な狂気、家族を狙う執着が前に出てきます。

ホラーとしての方向が、少し変わっています。

ポルターガイスト2の基本情報 公開年・監督・キャスト・上映時間を整理

ポルターガイスト2の基本情報を整理すると、作品の立ち位置が見えやすくなります。

項目 内容
作品名 ポルターガイスト2
原題 Poltergeist II: The Other Side
公開年 1986年
アメリカ公開日 1986年5月23日
日本公開日 1986年11月1日
監督 ブライアン・ギブソン
脚本 マイケル・グレイス、マーク・ヴィクター
主な出演 クレイグ・T・ネルソン、ジョベス・ウィリアムズ、ヘザー・オルーク、ゼルダ・ルビンスタイン、ジュリアン・ベック
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
上映時間 91分
ジャンル ホラー

資料によると、本作はアメリカで1986年5月23日に公開され、日本では同年11月1日に公開されました。北米での最終興収は4,099万6,665ドルで、1986年の年間国内興収ランキングでは20位に入っています。

数字だけ見ると、失敗作ではありません。
ホラー続編としては、かなり存在感のある成績です。

ただ、公開後の評価はきれいに割れました。
前作のような鋭い怖さを求めた人には、やや甘く見えた。
一方で、ケイン牧師の不気味さや特撮の見せ場には強い印象を残しました。

ポルターガイスト2のあらすじ キャロル・アンを再び狙う邪悪な存在

前作で恐怖を体験したフリーリング一家は、家を失ったあとも普通の生活に戻ろうとします。
しかし、怪異は終わっていませんでした。

娘のキャロル・アンには、再び邪悪な存在が近づいてきます。

その中心にいるのが、ケイン牧師です。
彼は穏やかな顔で近づいてきます。声を荒げるわけでも、いきなり襲いかかるわけでもありません。

だからこそ怖い。

玄関先に立つだけで、空気が変わる。
この人を家に入れてはいけないと、画面のこちら側まで思ってしまう。

ポルターガイスト2の恐怖は、派手な怪奇現象だけではありません。
ケイン牧師のような、人間の形をした異物が日常に入り込んでくる怖さにあります。

ポルターガイスト2と前作ポルターガイストの違い 日常の恐怖からオカルト色の強い続編へ

ポルターガイスト2を語るなら、前作との違いを避けて通れません。

結論から言うと、前作は日常が壊れる怖さ、2作目は怪異の背景へ踏み込む怖さです。

この違いを知ってから見ると、本作への印象はかなり変わります。

前作ポルターガイストは郊外住宅に潜む日常の怖さが魅力だった

1982年の名作ポルターガイストは、普通の家が怖くなる映画でした。

テレビ。
子ども部屋。
庭。
家族が集まるリビング。

本来なら安心できる場所が、少しずつ逃げ場のない空間に変わっていきます。

夜中にテレビの砂嵐が光る。
子どもが誰もいない場所に話しかける。
家の中にいるはずなのに、家が守ってくれない。

この怖さはかなり強いです。
大げさな説明がなくても、観客は自分の家で起きたら絶対に嫌だと感じます。

ポルターガイスト2はケイン牧師と宗教的な恐怖を前面に出した作品

ポルターガイスト2は、前作よりも宗教的な要素を濃くしています。

ケイン牧師。
地下の洞窟。
過去に存在した集団。
霊的な導き。

こうした要素が加わり、物語はより神話的な方向へ広がりました。

ただ、この広がりには良し悪しがあります。

前作の怖さは、説明しすぎないところに力がありました。
なぜこんなことが起きるのか。
誰が本当の邪悪な存在なのか。
見えない部分が多いから、観客の頭の中で恐怖が大きくなります。

一方で2作目は、怪異の背景を語ろうとします。
そのぶん、恐怖の輪郭ははっきりしますが、得体の知れなさは少し弱まります。

ここがこのポルターガイスト2の評価の分かれ目です。

前作と2作目で怖さの質が変わった理由

前作と2作目で怖さが変わった理由は、作品の目的が違うからです。

前作は、日常の中に怪異を入れて観客を怖がらせました。
家の中で起きるから、逃げ場がありません。

2作目は、怪異の原因や背景を広げようとします
そのため、恐怖の舞台は家だけに収まりません。

地下、宗教、過去、家族の運命。
話の広がりは増えました。

ただ、ホラーではなんだかわからないまま残る怖さも大きな武器になります。
2作目は説明を増やしたぶん、前作のようなゾワッとする余白を少し失いました。

ここを欠点と見るか、世界観の拡張と見るか。
ポルターガイスト2の評価は、この受け止め方で変わります。

ポルターガイスト2の評価が分かれる理由 名作続編としての期待と弱点

ポルターガイスト2の評価は、単純につまらない名作と分けられる映画ではありません。

見どころはある。
けれど、前作ほどの完成度はない。

この中途半端さが、逆に本作を語りたくなる理由でもあります。

ポルターガイスト2で高く評価されるケイン牧師の不気味な存在感

本作で多くの人が強く記憶するのは、ケイン牧師です。

演じたジュリアン・ベックは、ホラー映画の悪役としてかなり特殊な存在感を残しました。
顔色、声、立ち姿、笑い方。

どれも派手ではないのに、妙に忘れられません。

怪物が飛び出してくる怖さとは違います。
スーパーの通路で、ふと後ろに立っていそうな怖さです。

ケイン牧師は、画面に出た瞬間からこの人は絶対に危ないと思わせます。
でも、叫ばない。走らない。脅し文句も少ない。

静かに近づく。
それだけで怖い。

この怖さは、今見てもかなり強いです。

ジェリー・ゴールドスミスの音楽と視覚効果が作品を支えている

音楽を担当したジェリー・ゴールドスミスは、本作の空気を大きく支えています。

恐怖をあおるだけではありません。
家族を包み込むような旋律も入ります。

だからポルターガイスト2は、ただ怖がらせるだけの映画になっていません。
不安、悲しみ、祈るような気持ちが、音楽から伝わってきます。

視覚効果も当時の見どころでした。
本作は第59回アカデミー賞で視覚効果賞にノミネートされています。物語面では批判もありましたが、技術面ではしっかり評価を受けた作品です。

現代のCGに慣れた目で見ると、古さを感じる場面もあります。
それでも、手作りの造形や光の使い方には、今の映像にはない湿り気があります。

脚本の弱さと家族愛の描き方に賛否が集まった理由

一方で、脚本には弱さがあります。

前作の続編として、なぜもう一度この家族が狙われるのか。
説明はありますが、すべての観客がすんなり納得できるとは限りません。

家族愛を前面に出す作りも、本作の特徴です。
ただ、ホラーとして見たい人には、この家族愛の強調が甘く見える場面があります。

怖がりたいのに、少し感動の方向へ引っ張られる。
そのズレが気になる人もいるでしょう。

私なら、夜に一人で見るより、前作を見たあとに続けて見るほうをすすめます。
単独で見ると弱点が目立ちますが、シリーズの流れで見るとなぜこの方向へ広げたのか?が見えてきます。

ポルターガイスト2の見どころ ケイン牧師・音楽・1980年代特撮の魅力

ポルターガイスト2には、映画全体の完成度とは別に、今見ても残る見どころがあります。

特に注目したいのは、ケイン牧師、音楽、1980年代特撮の3つです。

ケイン牧師はなぜ怖いのか 静かな笑顔が残す異様な恐怖

ケイン牧師は、本作最大の見どころです。

ホラー映画の悪役には、見た瞬間に怖いタイプがいます。
血まみれの怪物。
大きな刃物を持った殺人鬼。
異形の姿をした悪魔。

ケイン牧師は違います。

外見だけなら、静かな老人にも見えます。
細い体で、ゆっくり歩く。
声も荒げません。

でも、ドアの外に立った瞬間、家の中の空気が冷える。

このタイプの怖さは、今のホラーでも通用します。
むしろ派手なCGに慣れた今だからこそ、静かに近づいてくる人間の怖さが刺さります。

1980年代ホラーらしい手作り特撮と視覚効果の見応え

ポルターガイスト2は、CGが主流になる前のホラー映画です。

そのため、怪異の表現には手作りの重さがあります。
人形、造形、合成、照明、煙、影。

画面の中に実際にそこへ何かを置いて撮った感触が残っています。

今の目で見ると、古く感じる場面もあります。
でも、古さと安っぽさは同じではありません。

たとえば、暗い部屋で照明が不規則に揺れるだけでも、1980年代ホラーには妙な生々しさがあります。
きれいに処理されたCGより、少しざらついた映像のほうが、肌に残ることがある。

本作の視覚効果は、その時代の手ざわりを味わえるポイントです。

ジェリー・ゴールドスミスの音楽が生む不安と切なさ

本作の音楽は、単なる怖がらせるための音ではありません。

不安をあおる音もあります。
けれど、家族を包むような旋律も流れます。

この音楽があるから、作品が単なる怪奇現象の連続で終わりません。
少し大げさに言えば、音楽が映画の品を保っています。

脚本が少し弱くなった場面でも、音楽が感情の流れをつないでくれる。
その意味で、ジェリー・ゴールドスミスの仕事はかなり大きいです。

ポルターガイスト2の興行成績 北米興収と1986年ホラー映画としての立ち位置

賛否両論のポルターガイスト2は、興行的には失敗していません。

北米最終興収は4,099万6,665ドル。
1986年の年間国内興収ランキングでは20位でした。

ホラー映画の続編として見ると、かなり健闘しています。

ポルターガイスト2の北米興収は約4099万ドルで年間20位

本作の北米興収は、約4,099万ドルです。
1986年の年間ランキングで20位に入ったことを考えると、当時の観客がこの続編に強い関心を持っていたことがわかります。

前作の名前は大きかったはずです。
あのポルターガイストの続編なら見たいと思った人は多かったでしょう。

劇場で予告を見た人。
前作をテレビやビデオで覚えていた人。
ホラー好きの友人に誘われた人。

そうした観客が、公開初期に一気に集まったと考えられます。

初動は強かったが口コミで長く伸びにくかった理由

ポルターガイスト2は、初動の注目度が高い作品でした。
一方で、公開後に長く伸び続けたタイプではありません。

理由はシンプルです。

前作の期待値が高すぎた。
そして、2作目はその期待に真正面から応えるより、別の方向へ進んだ。

観客は前作のような怖さを待っていたかもしれません。
でも本作は、宗教的なオカルト色や家族愛を強めています。

そのズレが、口コミの伸びに影響した可能性があります。

ホラー続編としてポルターガイスト2は成功作だったのか

単純に興行面だけで見れば、ポルターガイスト2は成功作と言っていいでしょう。

北米で約4,099万ドルを稼ぎ、年間20位に入っています。
ホラー続編としては十分な結果です。

ただし、映画史に残る続編かと言われると、答えは少し慎重になります。

前作のようにジャンル全体へ大きな衝撃を与えたわけではありません。
ただ、ケイン牧師という強烈なキャラクターを残しました。

興行では勝った。
作品評価では割れた。
でも、ホラーファンの記憶には残った。

ポルターガイスト2は、そういう続編です。

1980年代ホラー映画としてのポルターガイスト2 ビデオ時代とPG-13時代の影響

ポルターガイスト2は、1980年代という時代の中で見ると理解しやすくなります。

この時代、アメリカ映画は劇場だけでなく、ホームビデオ市場でも広がっていました。
日本でも1980年代にはアメリカ製ホラー映画が広く流通し、怪奇映画よりホラー映画という呼び方が定着していった流れがあります。

映画館で見逃しても、あとからビデオで借りる。
友人の家で見る。
夜中に部屋を暗くして再生する。

1980年代ホラーには、そういう家庭内の記憶もまとわりついています。

1980年代のアメリカンホラーと日本でのホラー映画ブーム

1980年代のホラー映画は、劇場だけで完結しませんでした。

レンタルビデオ店の棚に並び、パッケージの絵で人を引きつけ、週末の夜にテレビ画面で再生される。
この流れが、ホラー映画の広がりを大きく変えました。

日本でも、アメリカ製ホラーは身近な娯楽になっていきます。

ポルターガイスト2も、その空気の中にあります。
映画館で見る作品でありながら、ビデオで何度も見返される作品でもあった。

だから本作には、劇場用の大きな見せ場と、家庭のテレビで見る不気味さの両方があります。

PG-13時代に生まれた家族向けホラーとしてのポルターガイスト2

1984年、アメリカではPG-13というレーティングが導入されました。
子ども向けではない。
でも、大人だけに絞るほど過激でもない。

この中間の枠ができたことで、ホラー映画にも新しい広がりが生まれました。

ポルターガイスト2は、血みどろのスラッシャー映画とは違います。
家族、子ども、霊、家、祈り。

こうした要素を組み合わせて、幅広い観客に届くホラーを目指しています。

残酷描写を求める人には物足りないかもしれません。
でも、家族が壊れそうになる怖さや、子どもを守ろうとする親の焦りに反応する人には、別の形で効いてきます。

劇場公開とホームビデオで広がったポルターガイスト2の受け止め方

ポルターガイスト2は、劇場で見ると特撮の大きさが目に入ります。
一方で、ビデオで見るとケイン牧師の顔や声が近く感じます。

この違いは小さくありません。

映画館では、怪異の見せ場に目が行く。
家のテレビでは、人間の表情や沈黙が残る。

1980年代ホラーの面白さは、こういう見え方の変化にもあります。

本作が今も語られるのは、派手な場面だけでなく、ケイン牧師のような小さな画面でも怖い存在を持っているからです。

ポルターガイスト2は今見ても面白いのか 見る価値がある人・合わない人

今からポルターガイスト2を見るなら、期待値の置き方が大事です。

前作と同じレベルの名作を期待すると、少し肩透かしを食うかもしれません。
前作の怖さは、今見てもかなり強いです。

一方で、2作目には2作目だけの味があります。

ケイン牧師を見る。
1980年代の特撮を見る。
家族ホラーがオカルト方向へ広がった過程を見る。

この3つに興味があるなら、十分に楽しめます。

ポルターガイスト2が向いている人 シリーズファンや80年代ホラー好きにおすすめ

ポルターガイスト2は、次のような人に向いています。

  • ポルターガイストシリーズを順番に見たい人
  • 1980年代ホラーが好きな人
  • 派手な残酷描写より、不気味な空気を味わいたい人
  • ケイン牧師の怖さを知りたい人
  • CG以前の視覚効果に興味がある人
  • 家族をテーマにしたホラーが好きな人

特に80年代ホラーが好きな人なら、細かい映像の質感まで楽しめます。

暗い部屋。
不安定な照明。
今見ると少し古い造形。

それらが、逆に時代の空気を運んできます。

ポルターガイスト2が合わない人 前作と同じ怖さを期待すると物足りない

逆に、次のタイプの人には合わない可能性があります。

  • 前作と同じ緊張感を期待している人
  • 説明の少ないホラーが好きな人
  • テンポの速い現代ホラーに慣れている人
  • オカルト色の強い展開が苦手な人
  • 家族愛を前に出す展開を甘く感じる人

本作は、怖さだけで押し切る映画ではありません。
家族の絆や霊的な救いを描くため、人によっては少し物足りないと感じるはずです。

ただ、ホラーにはいろいろな味があります。
叫ばせる映画だけが怖いわけではありません。

静かに玄関へ立つ男。
目を合わせたくないのに、画面から目をそらせない瞬間。

ポルターガイスト2には、そういう怖さが残っています。

今からポルターガイスト2を見るなら前作と続けて見るのがおすすめ

ポルターガイスト2を見るなら、できれば前作から続けて見てください。

1日で2本見る必要はありません。
たとえば、土曜の夜に前作を見て、翌日の夜に2作目を見るくらいで十分です。

前作を見たあとなら、フリーリング一家が再び狙われる重さが伝わります。
キャロル・アンという少女が、なぜ物語の中心にいるのかもわかりやすいです。

2作目だけを見ると、ケイン牧師の怖さは楽しめます。
でも、家族の傷や疲れは少し見えにくくなります。

シリーズとして見ると、本作の弱点も含めて味わいやすくなります。

ポルターガイスト2を楽しむ見方 前作比較・ケイン牧師・特撮に注目する

ポルターガイスト2を見るなら、ただ前作と比べるだけではもったいないです。

次の3つを意識すると、作品の見え方が変わります。

まず前作ポルターガイストを見てから2作目を見ると理解しやすい

できれば、前作ポルターガイストを必ず先に見てください(でないと意味不明になります)

フリーリング一家がどんな恐怖を体験したのか。
キャロル・アンがなぜ特別な存在なのか。
家族が何を失ったのか。

前作を知っていると、2作目の家族描写に重みが出ます。

いきなり2作目から見ると、ケイン牧師の怖さは伝わります。
ただ、家族が再び狙われる痛みは少し薄くなります。

ケイン牧師の登場シーンに注目すると作品の怖さが深くわかる

本作を見るなら、ケイン牧師が出てくる場面をじっくり見てください。

顔の角度。
口元の動き。
距離の詰め方。
家族が彼を見たときの反応。

派手な演出より、細かい違和感が怖さを作っています。

ホラーに慣れている人ほど、こういう静かな怖さに気づくと面白くなります。

ケイン牧師は、観客に大声で恐怖を押しつけません。
ただ、そこにいるだけで嫌な感じを残します。

現代CGと比べず1980年代特撮の質感を味わう

1986年の映画なので、今のCGと比べると古さはあります。

でも、古いから全く価値がないわけではありません。

むしろ、現場で作った光や影、造形物の質感を見てください。
当時の映画人が、どうやって画面の中にどうやって見えない恐怖を作ろうとしたのか。

そこに目を向けると、ポルターガイスト2は単なる古い続編ではなく、1980年代ホラーの技術と工夫が詰まった作品に見えてきます。

ポルターガイスト2の弱点と注意点 前作ファンが感じやすい物足りなさ

ここまで魅力を書いてきましたが、ポルターガイスト2には弱点もあります。

まず、物語の引っ張り方がやや弱いです。
前作のように家そのものが危険というシンプルな恐怖から、2作目では説明の多いオカルト展開へ進みます。

この変化で、怖さが少し散らばりました。

物語の説明が増えて前作の得体の知れない怖さが弱まった

ホラーでは、理由がわからが何故か怖い場面があります。

前作はまさにそうでした。
テレビの向こうに何がいるのか。
家の中で何が起きているのか。
観客はわからないまま、不安だけを膨らませます。

2作目は、怪異の背景へ踏み込みます。
物語としては親切になりました。

ただ、説明が増えると、恐怖は少し小さくなります。
正体が見えた瞬間、怖さの質が変わるからです。

ポルターガイスト2は、その難しさを抱えた続編です。

家族愛の描き方が強くホラーとして甘く感じる場面がある

本作は、家族の絆をかなり前に出します。

親が子どもを守ろうとする。
家族で恐怖に立ち向かう。
愛が邪悪な力への対抗手段になる。

この流れはわかりやすいです。
ただ、ホラーとして見ると、少し甘く感じる場面もあります。

怖さが高まっているところで、感動の方向へ寄る。
その瞬間に、観客の緊張が少しゆるむことがあります。

もちろん、家族ホラーとして見れば自然です。
でも、冷たい恐怖を求める人には物足りないでしょう。

前作ポルターガイストの完成度が高すぎたことも評価を難しくしている

ポルターガイスト2が損をしている理由のひとつは、前作が偉大すぎることです。

前作は、家、家族、テレビ、郊外住宅という身近な要素だけで怖さを作りました。
シンプルなのに、逃げ場がない。

2作目は、その続編として作られています。
観客はどうしても比べます。

前作のほうが怖かった
1作目のほうがまとまっていた

そう言われやすい立場にあります。

ただ、比べられること自体が、名作続編の宿命でもあります。
ポルターガイスト2は、その重い看板を背負った作品です。

ポルターガイスト2の総合評価 前作を超えないが記憶に残るホラー続編

ポルターガイスト2を一言で言うなら、前作を超える続編ではなく、前作の世界を別の方向へ広げたホラー映画です。

前作のような鋭い日常の恐怖は弱まりました。
その代わり、宗教的な不気味さ、神話的な広がり、家族ホラーとしての色が強くなっています。

映画としての完成度なら、前作に軍配が上がります。
でも、記憶に残る怖さなら、2作目にも十分あります。

ポルターガイスト2は前作を神話的な方向へ広げた続編

前作は、家の中に怪異が入り込む映画でした。
2作目は、その怪異の背景にある過去へ踏み込みます。

この変化によって、物語は広がりました。

地下に眠るもの。
宗教的な狂気。
家族に迫る霊的な危機。

ただし、広げたぶんだけ、怖さは散らばっています。
日常の中に一点集中していた前作とは、狙いが違います。

この違いを理解すると、ポルターガイスト2を少し公平に見られます。

ケイン牧師の存在だけでも見る価値がある理由

特にケイン牧師。
この人物だけで、本作を見る理由になります。

玄関先に立つだけで怖い。
笑顔なのに安心できない。
声が静かなのに、逃げたくなる。

ホラー映画には、そういう一人の人物が作品全体を持ち上げる瞬間があります。
ポルターガイスト2にとって、ケイン牧師はまさにその存在です。

物語の弱さをすべて消すわけではありません。
それでも、彼が出てくる場面だけで画面が締まります。

1980年代ホラー映画の空気を味わえる貴重な一本

ポルターガイスト2には、1980年代ホラーの空気がしっかり残っています。

手作りの特撮。
少し暗い画面。
家族を中心にした物語。
劇場とビデオの両方で見られることを意識した作り。

今のホラーとは違う速度で、恐怖が近づいてきます。

古い映画だからこそ、当時の映画人が何を怖いと考えていたのかが見えます。
その意味で、本作は単なる続編ではなく、1980年代ホラーを知るための一本でもあります。

まとめ ポルターガイスト2は前作と違う怖さを楽しむホラー続編

ポルターガイスト2は、前作ほど完成されたホラーではありません。

前作のような日常が壊れる怖さは薄くなり、オカルト色と家族愛の要素が強くなっています。
その変化をどう受け取るかで、評価は分かれます。

ただし、本作には今見ても残る魅力があります。

ケイン牧師の忘れがたい不気味さ。
巨匠ジェリー・ゴールドスミスの音楽。
1980年代らしい視覚効果。
前作の恐怖を、宗教的で神話的な方向へ広げた大胆さ。

前作と同じものを求めると、少し違います。
けれど、ポルターガイストの世界がどう広がったのかを知りたいなら、見る価値はあります。

ポルターガイスト2は名作ではないが忘れがたい場面が残る作品

ポルターガイスト2は、誰にでもすすめられる完璧な続編ではありません。

脚本には弱さがあります。
前作ほどの緊張感もありません。

でも、忘れがたい場面があります。

ケイン牧師が家の前に立つ。
家族が不安そうに見つめる。
何も起きていないのに、もう怖い。

そういう瞬間を残せる映画は、やはり弱いだけでは終わりません。

前作比較だけでなく1980年代ホラーとして見ると評価が変わる

前作と比べると、ポルターガイスト2は可哀想です。

でも、1980年代ホラーとして見ると、評価は少し変わります。

当時の特撮。
ビデオ時代の空気。
PG-13以降の家族向けホラーの流れ。
オカルトと家庭ドラマを混ぜた作り。

本作には、その時代ならではの要素が詰まっています。

前作を超えたかどうかだけで判断すると、見落とす部分が出てきます。

ケイン牧師の不気味さを味わいたい人には一度見る価値がある

最後にもう一度言うなら、ポルターガイスト2を見る一番の見どころはケイン牧師です。

静かに笑う。
ゆっくり近づく。
言葉の奥に、嫌なものがにじむ。

ホラー映画の怖さは、血が飛び散るや絶叫だけではありません。
人の形をした不安が、こちらの生活圏に入ってくる怖さもあります。

ポルターガイスト2は、その怖さを持った続編です。

名作と呼ぶには少し弱い感じもします。
でも、夜に見終わったあと、ケイン牧師の顔だけがふっと頭に戻ってくる、そんな錯覚になります。

その時点で、この映画はちゃんと爪あとを残していると思います。

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